寺院宝物

紙本著色 世界及日本図 六曲屏風

国指定重要文化財



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豊臣秀吉が所持していた屏風といわれ、安土・桃山時代を代表する絵師狩野永徳が制作に深く関わったといわれています。このような形体の屏風の中で当屏風は日本最古の部類に属しており、大変貴重な屏風です。
世界図は、当時日本に外国よりもたらされた地図をそのまま描写しているため、日本は右端に描かれています。また地図中に世界の国名が書かれていますが、当時日本人がそれぞれの国名をどのように呼んでいたか伺われ興味深いものがあります。
日本図は、大和を中心に主要街道が引かれ、富士山、琵琶湖、奥羽山脈が装飾的に描かれています。特に九州北部の博多(赤丸)名越(白丸)長崎(緑丸)が大きくマークされ朝鮮出兵を想起する朱線が高麗に向って引かれているのが注目されます。

 

親鸞聖人伝絵

県指定文化財

詞と絵と口語につらねた絵巻物「親鸞聖人伝絵」から絵のみを掛軸仕立てにしたものを「御絵伝」と呼びます。親鸞聖人の出家から、入滅後に大谷廟に祀られるまでの生涯が描かれており、真宗寺院の報恩講には必ず掛けられます。当御絵伝は、当時住職が本願寺三代覚如上人に帰依した折、賜ったものと伝えられ、室町初期に描かれたものと推定されています。蓮如上人時代以降は、四幅仕立てに一定されたようですが、それ以前は、一幅、二幅、三幅、四幅と一定していなかったといわれています。形体からいってもごく初期のもので、大変貴重な御絵伝です。